皆さんこんにちは!メカ旦那です。
デジタル信号をアナログ信号に変換する「DA変換」とそれを実現するIC「DAコンバータ」はあらゆる電子回路で用いられています。仕組みや使用例についてわかりやすく解説します!
アナログ、デジタルとは?
まずは、アナログとデジタルの違いについてです。アナログは「連続的な値を取る信号」の事で、デジタルは「0と1の2値で表される信号」の事です。
アナログの例として、電圧、電流、可変抵抗が挙げられます。一方、デジタルの例はPC間・マイコン間の通信が挙げられます。
DA変換とは?
変換プロセス
DA変換(D/A変換)はデジタル信号をアナログ信号に変換する事です。変換は①復号②アナログ値へ変換③スムージングの順で実施します。
DA変換のプロセス
- 復号
- 他デバイスから入力されたデジタル信号(2進数)を10進数に変換します。
- 例えば3ビットの場合、001なら1に、011なら3になります。10進数で言うと0~7まで表現できることになります。
- アナログ値(代表値)へ変換
- アナログ値(代表値)に変換します。代表値は中央値の場合が多いです。
- 例えば、先ほどの0~7を電圧0~12Vのアナログ値へ変換する場合を考えます。0=0~1.5V、1=1.5~3V、…、7=10.5~12.0Vの範囲になります。
- 代表値を中央値にした場合、0=1.25V、1=1.25V、…、7=11.25Vに変換されます。
- スムージング
- 2の時点ではステップ波形でデジタル感があります。そこでローパスフィルタを用いて低周波の信号のみを通過させることでスムージングを行い、アナログのような連続的な波形にします。
- 2の時点で代表値に変換しているため、元のアナログ波形をそのまま再現できたわけではありません。
用途
DA変換の用途としては以下があります。
DA変換の例
- 無線送信
- メールや通話音声(AD変換後)について、無線送信前はパケットという細切れのデータになっています。これをデジタル変調を通じてIチャネル、Qチャネルという2つのデジタル信号に変換します。次にDAコンバータに入力され、アナログ信号に変換されます。最後アンプで増幅されアンテナから無線として空間へ放射されます。
- スピーカーを使っての音楽再生
- 動画や音楽などストリーミング配信では、海外のサーバーから無線を通じてデジタルデータが届きますが、再生時はスマホ内部でDA変換し音というアナログ信号に変換しています。
AD変換との違い
ちなみにDA変換と似たような言葉に「AD変換」があります。こちらはDA変換とは逆でアナログ信号をデジタル信号に変換します。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
DAコンバータとは
DA変換を利用したIC
DA変換を実現するICになります。
入力時のシリアル通信方式、分解能、アナログ出力チャンネル数(端子数)によって様々な製品があります。
形は色々ありますが、ADコンバータ同様、IC単体や基板実装されたものでしたら秋月電子やAmazonで安く入手できます。
リンク
ADコンバータとの違い
DAコンバータと名前が似ている「ADコンバータ」は、前述のAD変換を実現する部品になります。
アナログ入力のチャンネル数(端子数)、分解能、出力時のシリアル通信方式、電源電圧等で様々な製品があります。詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
DA変換のまとめです!
- DA変換(D/A変換)とは、デジタル信号をアナログ信号に変換する事
- 復号→アナログ値へ変換→スムージングの順で実施
- DAコンバータ(D/Aコンバータ)とは、DA変換を実現するIC部品の事
マイコンや電子工作では頻繁に利用するので、ぜひ覚えてくださいね!
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